今回は、「文字を斜体にしたいけどitalicがない」「シアーで変形すると後から編集するのが面倒」とお悩みのデザイナーさんにおすすめの、Illustratorのアピアランス機能を使った簡単な斜体(イタリック)文字を作成する方法をレクチャーします。
この方法を使うことで、シアーの角度を覚えたり、テキストを再作成する手間も省けて汎用性もあるため、デザイン作業の効率がアップするので、特にIllustrator初心者の方は参考にしてみてください。
【非推奨】よく紹介される方法は2つ。
ネットで「Illustrator」「文字」「斜体」などのキーワードで検索すると、これからお話する2つの方法がよくヒットすると思いますが、個人的には使い勝手が悪く、あまりおすすめしません。
理由も同時にお話ししていきます。
【方法①】文字の太さから「italic」を選択。
最もスタンダードなのは文字パネルの太さから「italic」を選択する方法。
フォントであらかじめ設定されているので、自分で調整する必要がなく、手間も少ないので非常に楽です。
しかし、この方法には大きなデメリットがあります。
「italic」のない文字には使えない。
この方法のデメリットは「和文フォントのほとんどにitalicが存在しない」こと。
「italic」が選択可能なフォントのほとんどは欧文。
それも全てではなく、和文にいたっては数えるくらいしか存在しないため、使えるシチュエーションが限られます。
傾き具合を調整できないのもデメリットの一つ。
【方法②】変形パネルの「シアー」に角度を入力する。
①の方法が使えない場合によく紹介されているのが、変形パネルの「シアー」から斜体文字に変形させる方法。
入力した数値分、文字にシアー効果がかかっていくので自由度が高く、「italic」のない和文にも使用できるのがメリットです。
数値を覚えておく必要があり、再編集が面倒。
この方法のデメリットは「シアーで入力した数値を記憶しておかねばならない」ということ。
変形パネルのシアーで一度入力してしまうと、その度に数値がリセットされIllustrator側では記憶してくれないので、自分で数値を覚えておくか、当てずっぽうで調整する必要が出てきます。
整数ならまだしも小数点まで入力してしまったり、日を跨いだりしたら、とても覚えられませんよね。
最悪、オブジェクトを作り直すことになるので、手間がかかってしまいます。
僕がおすすめする文字を斜体にする方法。
それではこれから、上記のデメリットを克服した文字を斜体にする方法を解説していきます。
アピアランスパネルから「3D」→「回転」を選択。
まずは文字を選択した状態で、アピアランスパネルの「fx」のアイコンをクリック。
「Illustrator効果」にある「3D」にマウスを乗せると、メニューが出てます。
「3D」の中にある「回転」を選択してください。
「X軸」と「Y軸」に数値を入力。
「回転」をクリックすると、「3D回転オプション」ウィンドウが出てきます。
そのウィンドウの上2つの「X軸」「Y軸」ボックスに数値を入力してください。3つ目の「Z軸」ボックスは0にしてください。文字を傾けたい場合は数値を入力してもいいです。
プレビューをチェックしながら文字の斜体具合を調整して、終わったら「OK」をクリックしてください。
これで斜体文字の完成です。
再編集したい場合は「アピアランス」から数値を変更するだけ。
編集した後で文字の斜体具合を調整したい時は、アピアランスパネルにある「3D 回転」をクリックして、数値を調節すればいいだけ。
数値もIllustrator上で記憶してくれるので、非常に簡単です。
簡単に編集可能な斜体文字を作ることができました。
今回の方法、いかがだったでしょうか。
この方法で斜体文字を作成すれば、
- italicのない文字にも使える
- 数値が残り、再編集が簡単
といったメリットがあります。
Illustratorのアピアランスには、作業を効率よくする可能性がたくさん秘められているので、どんどん紹介していこうと思います。
それでは。